近年、「株式の期待リターンは過去より低下している」といった見解を耳にする機会が増えています。そのため、「今後も積立投資を続ける意味はあるのだろうか」と疑問を抱く方もいるかもしれません。
株式投資における期待リターンとは、将来どの程度の収益率が見込まれるかを予測したものです。一般的には、株式市場のバリュエーションや過去の平均リターンなどをもとに推計されます。足元では、バリュエーション水準の上昇や金利環境の変化などを背景に、将来の期待リターンの低下を懸念する見方もあります。
では、長期的な資産形成という観点から、このような見方をどのように捉えればよいのでしょうか。
本コラムでは、積立投資を前提に、期待リターンだけでは投資成果を説明できない理由を確認しながら、長期積立投資の意義について解説します。
期待リターンだけで積立投資の成果は決まらない
積立投資は、平均的なリターンの水準だけでなく、リターンがどのような順序で実現するかによっても、最終的な投資成果が変わります。
毎年初に100万円を10年間積み立てた場合を例に考えてみましょう。
- パターンA
毎年5%のリターンが得られた場合(平均リターン5%) - パターンB
1%のリターンで5年間経過したのちに、後半5年間で7%のリターンとなった場合(平均リターン4%)