column 為替相場を気にしない長期投資のすすめ

全世界株式への投資を検討する際、多くの投資家が「円高・円安のタイミング」を気にします。現在、ドル円相場は足元で1米ドル=160円近くと直近で最も円安が進んでおり、今後の円高リスクを気にする方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、長期的な資産形成という観点では、為替相場を過度に意識する必要はないかもしれません。むしろ、為替相場の変動に一喜一憂して投資を先送りすることが、機会損失につながる可能性があります。

 

企業の利益成長や配当再投資による複利効果は、為替水準の変動を大きく上回ります。過去数十年の全世界株式の年平均リターンは5〜7%程度で推移してきました。一方、主要通貨の長期的な変動幅は、数年単位で見れば上下するものの、数十年スパンでは一定のレンジに収斂する傾向があります。つまり、為替水準の変動の影響は短期的なノイズに過ぎず、長期的には株式の成長力が勝るのです。

 

実際、過去30年の全世界株式インデックスの成長と米ドル円の変化を比較した場合、30年間で全世界株式インデックスが約800%のリターンを生み出したのに対し、ドル円相場は約50%の変動にとどまります。

全世界株式インデックスと米ドル円の推移

為替相場を気にしない長期投資のすすめ

期間:1995年12月末~2025年12月末

全世界株式インデックスは2011年9月末以降はMSCI ACワールド・インデックス(税引後配当再投資、米ドルベース)、

それ以前はMSCIワールド・インデックス(税引後配当再投資、米ドルベース)を使用

出所:LSEG、キャピタルグループ

為替相場を予測することは極めて困難です。金利差や経済状況、地政学リスクなど多くの要因が複雑に絡み合うため、長期的な為替水準の見通しを的中させるのは難しいのが現実です。為替水準の見通しに基づいて投資タイミングを計る「待ちの姿勢」は、結果的に投資期間を短くし、複利効果を損なうリスクを高めてしまいます。

 

こうした為替相場の影響を軽減するためには、積立投資などを活用することもできます。毎月一定額を投資することで、円高・円安の局面を平均化し、タイミングを気にする必要がなくなります。

 

長期投資の本質は「時間を味方につける」ことです。為替水準やタイミングを過度に気にすることなく、積立投資なども活用しながら複利の力を最大限に生かすことが、ゆたかな資産形成への近道といえるのではないでしょうか。