資産形成の手段として、長期投資を選ぶ人は少なくありません。時間と複利の力を活かし、コツコツと積み上げていくことで、将来の経済的な安心につなげたい。そんな考え方に共感する方も多いのではないでしょうか。
ただし、長期投資を前提とするならば、ひとつ確認しておきたいことがあります。それは、投資対象となるファンドが、長期にわたって存在し続けるのかという点です。
ファンドはさまざまな理由で償還されることがあります。運用成績の不振、資金流出、運用会社の方針転換などが挙げられますが、その他にもアクティブ運用においては「スターマネジャー制」の影響も考えられます。優秀なポートフォリオ・マネジャーが引退した途端に成績が悪化し、ファンドが終了してしまう。そんなケースも実際に見られます。これは、長期投資を志すうえで見落とされがちなリスクかもしれません。
このように持続的な運用体制や実績を実現できないファンドは、早期に償還してしまうことがあります。実際、過去償還された米国籍のアクティブ株式ファンド約5,700本を対象に、償還までの年数を調べたところ、5年以内に償還されたファンドがそのうち約4割、10年以内が約7割、20年以内が約9割を占めることが分かりました。