column 資産形成の加速装置:非課税制度の有効な活用法

通常、金融資産の投資では運用益に対して20%程度の税金がかかります。一方で、NISAや確定拠出型年金(DC)のように資産形成や退職準備などを国が支援するため、運用益が非課税となる制度も存在します。こうした非課税制度の活用は、資産形成を考えるうえで非常に重要です。

 

では非課税制度を最大限に有効に活用するためにはどのような点に留意すべきでしょうか。課税される場合と比べてどの程度の差が生まれるのか、シミュレーションを通じて確認してみましょう。

 

前提条件は、毎月1.5万円を40年間積み立てるケース。税率は20.315%、運用リターンは年率2%と年率10%の2パターンで比較しました。課税される場合は運用益に毎年上記税率がかかる事を想定します。

 

まず、年率2%の運用を想定すると、課税される場合の資産は40年後に約1000万円になります。対して非課税制度の場合、40年後の資産は約1100万円と課税される場合に比べて1.1倍となる事が分かりました。

 

次に、年率10%の運用を想定すると、課税される場合の資産は40年後に約5200万円になります。対して非課税制度の場合、40年後の資産は約9500万円と課税される場合に比べて1.8倍となる事が分かりました。

上記はあくまでも一定の条件に基づく試算であり、実際の運用成果を示すものではありません。 運用にかかる手数料などの費用は考慮しておりません。

リターンの差で資産の水準が異なるのは当然ですが、ここで注目すべきは非課税制度と課税制度間のギャップです。低リターンの場合、税負担の影響が限定的である一方、高いリターンを想定すると非課税・課税間の差が一気に拡大する事が見て取れます。

 

この違いは、複利効果に税金が与える影響の大きさを示しています。運用益に課税されると、その分再投資できる金額が減り、長期的な成長が抑制されます。一方、非課税制度では利益をそのまま継続投資できるため、時間の経過とともに差が加速度的に広がっていくのです。

 

非課税制度には確定拠出型年金(DC)のように運用益が非課税になる以上にメリットがあるものも存在します。DCでは掛金が所得控除の対象となるだけでなく、運用益も非課税で再投資でき、受け取り時には退職所得控除や公的年金控除が適用されます。税負担を大幅に軽減でき、長期的な資産形成において強力な追い風となります。

 

資産形成を加速させるために、非課税制度を戦略的に取り入れることは不可欠です。短期では差が小さくても、30、40年と時間を重ねることで、課税の有無が資産形成に大きな違いをもたらします。そして、こうした加速装置のメリットを最大限に活かすためにも、株式など期待リターンの高い資産クラスを上手く活用していく事が重要となるでしょう。