債券は株式とは異なる値動きや収益特性を持ち、資産形成において一定の役割を担う資産クラスのひとつです。
しかし、その役割を問われると少し曖昧な方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、債券のリターンの源泉を整理しながら、長期運用における債券の役割について考えます。
債券投資で「インカムゲイン」が重要な理由
債券投資の収益源は、大きく「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2つに分けられます。
インカムゲインは債券の保有中に受け取る利息、キャピタルゲインは債券の売却や償還によって得られる値上がり益です。
債券は満期まで保有すれば、原則として額面で償還されますが、市場金利や発行体の信用状況などによって価格が変動するため、途中で売却する場合のキャピタルゲインは保証されません。
一方、債券価格が変動しても、発行体が債務不履行に陥らない限り、原則として利息の支払い条件は変わりません。そのため、インカムゲインは購入時点で見通しを立てやすく、長く保有するほど累積していきます。
どちらも重要な収益源といえますが、特に長期の資産形成では、継続的に得られるインカムゲインが、債券のリターンを支える基盤となります。
過去のデータから見る「インカムゲイン」が支える債券の長期リターン
インカムゲインが債券の長期的なトータルリターンにどのように寄与してきたのか、過去のデータを見てみましょう。
下の図は、過去30年の「米国ハイイールド債券インデックス」の累積リターンを、インカムゲインとキャピタルゲインに分解したものです。
ハイイールド債券とは、一般に信用格付けが相対的に低く、その分、利回りが高い傾向にある債券を指します。
このデータは債券市場全体を示すものではありませんが、インカムゲインの積み上げが長期的なリターンを支えてきた一例として参考になります。