「将来、マーケットが下落するタイミングが事前に分かっていたら…」 投資家であれば、一度はそんな思いを抱いたことがあるのではないでしょうか。暴落に向けて資金を貯め、底値でまとめて投資できれば、誰もがうらやむようなリターンを得られるはず。そんな想像をするのも無理はありません。
しかし、仮にその夢が実現したとしても、積立投資には勝てないかもしれません。今回は、過去50年間の市場データをもとに、「完璧なタイミングで底値買いした場合」と「毎月コツコツ積立投資を続けた場合」の投資成果を比較し、積立投資の有効性を検証したいと思います。
毎月1万円の投資資金があり、50年間で合計600万円を投資すると仮定します。投資対象は全世界株式インデックスです。この条件下で、2つの投資方法の成果を検証したいと思います。
① 底値買い:暴落が起きるタイミングを事前に知っているという前提で、暴落が起きるまで資金を貯め、暴落時に一気に投資する。その後、また資金を貯め、次の暴落時に投資を行うというプロセスを繰り返す
② 積立投資:毎月1万円の積立投資
過去50年でマーケットが大きく下落したのは5回。暴落を事前に察知し、暴落が起きるまで貯めてきた資金を底値でまとめて投資できたとしたらどうなるでしょうか?この場合、600万円の投資は5,626万円に成長します。驚くべき投資成果です。マーケットのタイミングを完璧にとらえ暴落の底値で買えているので当然の結果とも言えるでしょう。