2024年は世界史上最大級の「選挙の年」です。総人口およそ44億人を擁する世界76ヵ国で選挙が実施されます。
いくつかの国ではすでに選挙が終わっています。1月に投開票された台湾総統選挙では、独立派の候補者が当選したことから、緊張状態が続く中国との関係悪化につながる可能性があります。また、今後予定されている選挙の中には、趨勢がほぼ決まっているものもあります。例えば、ロシアのプーチン大統領が3月17日に再選を果たすであろうことには、ほぼ疑いの余地がありません。
11月5日には、米国の大統領・副大統領、連邦議会上院 (34議席) 、下院 (435議席すべて) の選挙が行われるほか、州議会や地方議会の選挙や、そして政策の是非をめぐる直接投票も多く行われます。
このような世界情勢を念頭に、ここ数世代で最も重要な選挙の一つになりそうな米国大統領選挙を左右する4つの問題について紹介します:
1. 「問題は (今も) 経済なんだ、愚か者め!」
1992年の選挙戦で流行した言い回しを引用するまでもなく、2024年の選挙で最大の争点となるのは経済問題です。景気後退はあり得るのか、インフレはいつ平時の状態に戻るのか、FRB (米連邦準備制度理事会) は利下げをするのか、家計はコロナ禍から立ち直ったのか、といったことが問われます。