債券 クレジット市場を動かす4つの要因

キーポイント

  •  クレジット市場は、(1)エネルギー・地政学リスク、(2)世界経済成長の偏りと脆弱性、(3)AIによる構造変化、(4)金利変動と金融政策の方向性の違いという4つの要因に左右される局面にある。発行体・業種間の格差拡大とボラティリティ上昇に留意が必要
  •  スプレッドは依然として歴史的な低水準にあり、市場全体での縮小余地は限定的。下方リスクは十分に織り込まれておらず、発行体選別の重要性が一段と高まる局面と考えられる
  •  投資機会としては、米国の公益事業、欧州の銀行、AI関連銘柄などに注目。一方、信用リスクに見合うリターンが期待しにくいセクターには慎重な姿勢を維持する

クレジット市場におけるボラティリティ上昇と格差拡大
 

世界のクレジット市場は、不確実性が高まる局面にあります。経済成長は続いているものの、その恩恵は地域や業種によって偏りがみられます。加えて、地政学リスク、AIの進展、金融政策の方向性の違いが市場の変動性を高めています。一方、スプレッドは歴史的な低水準にあり、市場全体での縮小余地は限定的です。

このような環境下では、業種や発行体の間の格差がより明確に表れ、アクティブ運用によるボトムアップの銘柄選択の重要性が一段と高まると考えています。

本稿では、今後のクレジット市場を左右する4つの要因である(1)エネルギーと地政学、(2)世界経済の偏りと脆弱性、(3)AIによる構造変化、(4)金融政策と金利環境について考察し、投資への示唆を整理します。 

ダミール・ベッティーニ キャピタル・グループの債券ポートフォリオ・マネジャー。フィクスト・インカ ム・マネジメント・コミッティのメンバー。現職以前は、債券アナリストとして、 欧州の銀行、保険会社、通信の調査を担当。キャピタル・グループ入社以前は、 スタンダード&プアーズにおいてディレクターおよびリード・アナリスト(保険 担当)、バンク・オブ・アメリカにおいて株式シニア・アナリスト(保険担当) として勤務した他、フィッチ・レーティングにおいてシニア・ディレクターおよ び保険セクターのグローバル・ヘッドを務める。ロンドン・オフィス在籍。

華村 啓陽 キャピタル・グループのインベストメント・ディレクター。キャピタル・グループ入社以前は、ブラックロックの債券プロダクトストラテジストを務める。東京オフィス在籍。 

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