2026年7-9月期の債券市場は、世界的な金利上昇を背景に、厳しい展開となりました。金利上昇の要因として、エネルギー価格の上昇、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策見通しのタカ派化、AI関連の債券発行の継続、政府債務や財政赤字に対する懸念、基調的な経済見通しの見直しなどが挙げられます。国債利回りは大幅に上昇し、債券リターンの押し下げ要因となりました。一方、世界の株式市場はまちまちの展開となりました。クレジット・スプレッドの拡大は小幅にとどまりました。健全な企業ファンダメンタルズと、インカムに対する継続的な需要が下支えしたためです。
こうした逆風にもかかわらず、世界経済は底堅さを示しているとみています。継続的な設備投資、堅調な労働市場、総じて健全な民間部門のバランスシートが、引き続き経済活動を支えています。エネルギー価格の上昇、高金利、地政学的緊張によってボラティリティは高まっていますが、成長率は多くの投資家の予想を上回るペースを維持しています。今後については、AIインフラの整備に関連する設備投資の継続と景気を下支えする財政政策が、世界経済の成長を支える可能性があります。ただし、地域によるばらつきは引き続き大きいとみられます。
米国では、経済指標がおおむね市場予想を上回り、成長は底堅さを維持しています。個人消費は堅調で、設備投資は引き続きテクノロジー関連投資の恩恵を受けています。労働市場も比較的健全な状態を維持しています。一方、成長の裾野は次第に狭まり、特に経済のAI関連分野に集中しているようです。また、借入コストの上昇は、住宅市場など金利感応度の高い分野に引き続き負担をもたらしています。世界的には、政府債務の増加と高水準の財政赤字も、債券投資における重要な課題となっています。これらは、タームプレミアムの上昇や長期債利回りのボラティリティ拡大につながる可能性があります。