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2025年の見通し

既視感のある未来


新しい年を迎えるというのに、どうしても過去の状況と重なる部分が目につきます。前にも似たようなことがあったような気がします。2025年に米国の大統領に就任するのは、見覚えのある人物です。市場は新政権の誕生に期待して活気づいていますが、これも2016年の選挙後とよく似ています。米国経済は依然として堅調で、他の国々が足踏み状態にあるなかで、世界経済をリードしています。まるでベンジャミン・バトンが年とともに若返るように、米国経済は、1年前に多くの人が予測したような景気後退に陥るどころか、景気サイクルを逆行しているかのようです。


この筋書きは希望に満ちたものですが、一方で私たちは現在直面している問題を認識しなければなりません。これらの問題もまた、過去の記憶を呼び起こします。冷戦時代のように、米国のリーダーシップが試されています。ウクライナや中東の紛争、中国との緊張の高まりが、世界の安定を脅かしています。多くの国でポピュリズムが勢いを増しており、自由貿易政策からの転換につながる可能性があります。


これらの出来事が2025年以降、どのように展開するのかはわかりません。しかし、長期投資家として、私たちは市場が回復力を備えているとわかっています。市場は、良い時には着実に上昇し、悪い時には、一時的に停滞することがあっても、「不安の壁」をよじ登っていくものです。


将来の見通しには、明るい材料がいくつもあります。AIの進歩、欧米の製造業ルネサンス (復興) 、ヘルスケアのイノベーション、東南アジアをはじめとするエマージング市場の成長などです。金融政策の正常化を受けて債券の魅力度が高まり、ポートフォリオにインカムと分散をもたらすという債券本来の役割を果たす時代に戻りつつあります。


本稿でお伝えしたいのは、おなじみのメッセージになりますが、「投資を継続してください」ということです。市場の変動や地政学的な不確実性に直面した場合に投資家が陥りがちな最大のミスは、市場から撤退することです。投資の成功は、その目的が老後の備えや教育資金、住宅購入など何であれ、長期的な実践によって得られるものです。


短期的なノイズに惑わされることなく、長期的な目標に集中してください。言い換えれば、自分の主演映画の脚本を書き、それに忠実に従うということです。



過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の価値および投資収益は減少することも増加することもあり、当初投資額の一部または全部を失うことがあります。本情報は投資、税務もしくはその他の助言の提供、または証券の売買の勧誘を意図するものではありません。

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