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2023年の経済見通し:市場予想に織り込まれていないこととは
ジャレド・ フランツ
マクロ・エコノミスト
ロバート・ リンド
マクロ・エコノミスト (欧州担当)
スティーブン・ グリーン
マクロ・エコノミスト (アジア担当)
イェンス・ ソンデルガールド
通貨アナリスト

「群衆の叡智」は非常に優れていますが、不確実性の高い局面においては、そこに潜むリスクを理解することが有効です。


現時点では、2023年の市場見通しは楽観的に見えます。資産価格から示唆される見通しは、インフレの早期沈静化によってFRB (米連邦準備制度理事会) のタカ派的姿勢が後退し、世界の景気減速は2022年ほどにはならない、というものです。しかし、流動的な金融政策、高い地政学リスク、労働市場の堅調を打ち消す住宅市場の低迷といった要素を考慮すると、先行きは楽観できずさまざまな展開を想定する必要があることがわかります。


本稿では、弊社グループのエコノミストが、市場予想よりも蓋然性が高いと考える4つのシナリオを紹介します。


ジャレド・フランツは、FRBは政策金利を長期にわたって高く維持することと、従来の回復局面を上回る力強い景気回復を予想しています。また、ロバート・リンドは、欧州の政策当局は拡張的な財政政策をとり、ある程度のインフレを容認する公算が大きいと論じています。スティーブン・グリーンは、中国の消費の回復には時間を要するとし、通貨アナリストのイェンス・ソンデルガールドは、米ドルの強気相場が終了したと判断するのは時期尚早であると警告しています。


なお弊社グループでは、エコノミストの見解は運用チームに共有されますが、個々の投資判断に直接的に影響を与えるわけではありません。



ジャレド・フランツ  マクロ・エコノミスト。米国およびラテン・アメリカを担当。経験年数17年。入社以前は、ハートフォード・インベストメント・マネジメント・カンパニーにおいて国際マクロ経済調査ヘッド、ティー・ロウ・プライスにおいて国際経済および米国経済担当エコノミストを務めた。Forecasters Club of New York、National Association of Business EconomicsおよびConference of Business Economist会員。

ロバート・リンド  マクロ・エコノミスト。経験年数34年。入社以前は、ABNアムロにおいてマクロ・リサーチ・ヘッド、アングロ・アメリカンにおいてグループのチーフ・エコノミストを務めた。

スティーブン・グリーン  マクロ・エコノミスト。アジアを担当。経験年数17年。入社以前は、スタンダードチャータード銀行(北京、上海、香港)において中国語圏経済リサーチヘッドを務めた。それ以前は、英国王立国際問題研究所においてアジア・プログラムを担当。

イェンス・ソンデルガールド  通貨アナリスト。経験年数16年。現職以前は、ユーロ圏および英国担当エコノミストとして勤務。入社以前は、野村證券において欧州担当エコノミスト、イングランド銀行においてシニア・エコノミスト、ジョンズ・ホプキンス大学助教授を務めた。


過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。投資の価値および投資収益は減少することも増加することもあり、当初投資額の一部または全部を失うことがあります。本情報は投資、税務もしくはその他の助言の提供、または証券の売買の勧誘を意図するものではありません。

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