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機関投資家の皆様へ
債券の役割を再考
華村 啓陽
インベストメント・ディレクター
ハイライト
  • 世界的な感染症拡大の影響はなお不透明であり、景気回復には時間がかかる見通し。一方、各国政府・中銀による政策サポートに今後も期待
  • 金利は中長期に低位にとどまり、市場のボラティリティが上昇すればさらに低下も。金融・財政がともに超緩和的でも脆弱な経済環境下で 1 年~2 年にわた りインフレ懸念は高まらない
  • クレジット資産は、緩和的な金融環境の恩恵を受ける。中銀による買取りプログラムと「利回り追求」で需給の支えも。ただし、格下げ、デフォルトの増加は今後避けられず、慎重な見極めが必要
  • 通貨は、景気後退の過程でボラティリティ再上昇も。一方、ヘッジコストは大幅に低下し、ヘッジ付き米ドル建て資産は魅力度が増している
  • 利回り水準、スプレッドの縮小余地、流動性の高さ、リスクマネジメントの観点などから米国ハイイールド社債に注目。時間分散と銘柄選択による戦略的アプローチが有効

急変した市場をどう見るか


2020 年当初、市場参加者の経済見通しは、変動を伴いながらも緩やかに成長するとの見方が大勢でした。しかし、新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大したことで様々な前提が崩れました。投資家心理は急速に冷え込み、リスクアセットは暴落しました。その後 4 月になると、経済の V 字回復への期待などが先行し、市場の回復も勢いを増しました。新型ウイルスは、ほとんどの投資家が想定しなかったリスク要因ですが、このような市場の動きを予想した市場参加者も少数だ ったと思われます。新型ウイルスによる経済的ダメージの試算はいまだに難しく、今後の展開は予断を許しません。


このような投資環境の中、株式に対する分散と利回り向上が期待された米国投資適格社債は概ね想定通りに機能し、混乱した市場の中でもポートフォリオに一定の安定性をもたすことができました。一方、コロナショックによって投資環境は大きく変化し、それに伴って、各資産の投資魅力度が変化しています。ここではまず市場を見るうえでキーとなる要因を分析し、今後予想される投資環境において、有望な資産クラスを見分けたいと考えます。さらに、それらがポートフォリ オで果たしうる役割、活用方法についても考察します。現在の投資環境において、 様々な力学が働いていますが、これまでにない要因もあるため、透明性の低いものから高いものに整理したうえで、投資に対するインプリケーションを探ります。



華村 啓陽 インベストメント・ディレクター。債券運用戦略を担当。経験年数13年。入社以前は、ブラックロックの債券プロダクトストラテジストを務める。カリフォルニア大学サンディエゴ校で国際関係学の修士号、アイオワ大学で国際研究の学士号を取得。